茶臼岳ロープウェイと殺生石、那須高原の絶景と伝説を巡るプラン

那須塩原駅でレンタカーを借り、車でおよそ50分、那須連峰の主峰・茶臼岳の7合目にある那須ロープウェイの山麓駅に着きます。標高1684mの山頂駅までの標高差293mを、一度に111人を乗せる大型のゴンドラがおよそ3分40秒で結びます。開業は1962年。登山ブームを背景に、那須岳への登山客の増加が建設の後押しになったと伝えられています。山頂駅の周辺からは那須高原の雄大な景色が広がり、天候に恵まれれば遠くの山々まで見渡せます。このプランでは、山頂駅の周りを歩いて景色を楽しみます。茶臼岳は活火山です。訪れる前に火山の情報を確かめ、立入規制に従いましょう。この後は、車でおよそ15分、殺生石へ向かいましょう。
茶臼岳ロープウェイから車でおよそ15分、殺生石に着きます。「殺生」とは、仏教の教えである五戒のひとつ、生き物の命を奪うことを戒める言葉です。この一帯では硫化水素などの有毒な火山ガスが噴き出しており、かつては近づいた動物が命を落とすこともあったことから、この名がついたと伝えられています。殺生石にまつわる話として特に有名なのが、九尾の狐の伝説です。鳥羽上皇に仕えていた美しい玉藻前という女性が、実は正体を見破られた九尾の狐であり、東国へと逃げ延びたものの武士に追い詰められて石に姿を変え、その後も毒を発して人や動物の命を奪い続けたという言い伝えです。あくまで史実ではなく語り継がれてきた伝承ですが、室町時代の1385年に玄翁和尚がこの石を打ち砕いたとされています。江戸時代には俳人・松尾芭蕉もこの地を訪れ、『おくのほそ道』の中で「石の香や 夏草赤く 露暑し」と詠んでいます。周辺は「賽の河原」と呼ばれ、草木もほとんど生えない荒涼とした風景が広がっており、その独特の雰囲気を漂わせるこの一帯は、平成26年(2014)3月、「おくのほそ道の風景地」の一群として国の名勝に指定されました。かつて石が割れる出来事もありましたが、その後も慰霊祭や平和祈願祭を経て、現在も変わらず見学できます。ガスの匂いが漂う場所ですので、体調がすぐれない方は無理をせず、周囲の散策路からゆっくり眺めましょう。この後は、歩いておよそ3分、温泉神社へ向かいましょう。
殺生石から歩いておよそ3分、温泉神社に着きます。舒明天皇の代(629〜641年)、この地に住んでいた狩野三郎行広が山狩りの最中に大きな白鹿を見つけて矢を射たところ、深手を負った白鹿を追って山奥に入り、湧き出る温泉に浸かって傷を癒す姿を見つけたと伝えられています。これが那須温泉(鹿の湯)の発見とされ、行広はこの地に温泉の神を祀りました。延喜式神名帳に記された式内社「温泉(ゆの)神社」の論社のひとつで、貞観11年(869)には従四位上を授けられたと伝わります。参拝の際は、敬意を込めて手を合わせましょう。この後は、歩いておよそ3分、鹿の湯へ向かいましょう。
温泉神社から歩いておよそ3分、鹿の湯に着きます。温泉神社の伝承にもある、狩野三郎行広が白鹿とともに見つけたと伝わる、開湯およそ1300年の古湯です。41度から48度まで温度の異なる浴槽が並び、入浴前にお湯を体にかける「かぶり湯」が、ここならではの入浴作法として伝わっています。日帰り入浴ができ、周辺の食事処で昼食をとることもできます。乳白色の硫黄泉は刺激が強いため、長湯は避け、こまめに水分をとりながら、短い時間で何度か入るようにしましょう。浴場では、ほかの方が写らないよう撮影は控えましょう。この後は、車でおよそ10分、那須平成の森へ向かいましょう。
鹿の湯から車でおよそ10分、那須平成の森に着きます。那須御用邸用地のおよそ半分にあたるおよそ560ヘクタールが、平成21年(2009)、当時の天皇陛下(今の上皇陛下)の御在位20年を記念して宮内庁から環境省に引き継がれ、整備を経て2011年に開園しました。だれでも自由に歩ける「ふれあいの森」には、駒止滝を望む観瀑台まで往復およそ3kmの遊歩道や、森をひとめぐりするおよそ1kmの小径、フィールドセンターから続くおよそ300mの車椅子でも通れる散策路が整備されています。那須御用邸のかつての面影を残す、豊かな森の中を歩いてみましょう。この後は、車でおよそ14分、那須どうぶつ王国へ向かいましょう。
那須平成の森から車でおよそ14分、この旅の締めくくり、那須どうぶつ王国に着きます。東京ドームおよそ10個分の敷地に600頭以上の動物たちが暮らす動物園で、1998年の開園以来、那須高原を代表する観光地のひとつになっています。屋根付きの「王国タウン」ではカピバラやハシビロコウなど多彩な動物と出会え、カピバラが温泉に浸かる「カピバラの湯」もよく知られています。牧場形態の「王国ファーム」とは「王国リフト」で結ばれています(土日祝のみ運行、冬季は運休)。思い思いに動物たちとの時間を過ごしましょう。エサやりやふれあいの際は、係員の案内に従いましょう。茶臼岳ロープウェイと殺生石、那須の自然と伝説を巡る旅はこれで終わりです。帰りは、那須塩原駅までレンタカーを返却してから、新幹線などで帰路につきましょう。

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