「日本最古の学校」ともいわれる足利学校と鑁阿寺、定番の足利さんぽ日帰りプラン

JR足利駅から徒歩約10分、足利のまちなかにたたずむ足利学校は、「日本最古の学校」ともいわれる史跡です。ただし創建の時期にはいくつかの説があり、国学に起源を求める説や、平安時代に小野篁が創設したという説、鎌倉時代初期に足利義兼が開いたという説など諸説あって、史料で歴史をたどれるのは室町時代中期、15世紀前半の上杉憲実による整備以降というのが定説となっています。憲実は鎌倉から禅僧・快元を招いて初代庠主(校長)に迎え、書籍を寄進して学問の道を興しました。戦国時代の永正から天文年間には学徒三千ともいわれるほど栄え、関東有数の学び舎であったとも伝えられ、1549年には宣教師フランシスコ・ザビエルが「日本国中最も大にして最も有名なる坂東の大学」とヨーロッパに紹介したと伝えられています。境内には「字降松(かなふりまつ)」という松の木が残り、第7世庠主・九華和尚の時代、学生が読めない文字を紙に書いて枝につけておくと、翌朝にはふり仮名や注釈が付けられていたという逸話が伝えられています。孔子を祀る孔子廟(大成殿)や復元された方丈・庭園など、静かな時間が流れる境内をゆっくり歩けます。このあと鑁阿寺へ、徒歩約5分の道のりです。なお、かやぶき屋根のふき替え工事のため、方丈の建物内などに入れない期間があります。お出かけ前に公式サイトで確かめましょう。

足利学校から徒歩約5分、こんもりとした木々に囲まれた鑁阿寺(ばんなじ)に着きます。建久7年(1196年)、足利氏2代目当主・足利義兼が邸内に持仏堂を建てて守り本尊の大日如来を祀ったのがはじまりと伝えられ、1234年には3代目・足利義氏が伽藍を整え、足利一門の氏寺としました。国宝に指定されている本堂は正安元年(1299年)に足利貞氏が再建したもので、禅宗様建築をいち早く取り入れた建物として高く評価されています。境内は四方に門を構え、周囲を土塁と堀がめぐる約200メートル四方の敷地で、これはもともと足利氏の館そのものだった名残です。鎌倉時代前後の武士の館の面影を色濃く残すことから、2006年には「足利氏館」として日本100名城のひとつに選ばれました。天然記念物の大銀杏や、重要文化財の一切経堂、栃木県指定文化財の多宝塔なども見応えがあります。ちなみに寺には、足利学校第7代庠主・玉崗瑞璵(号・九華)による論語の注釈書「魯論抄」が伝わっており、国の重要美術品に認定されています。学校と寺の深いつながりを今に伝える、貴重な史料です。今も祈りが続く場所ですので、静かに、敬意をもってお参りしましょう。境内をひとめぐりしたら、この後は、歩いておよそ8分、足利市立美術館へ向かいましょう。
鑁阿寺から歩いておよそ8分、足利市立美術館に着きます。平成6年(1994)に開館した、市営の集合住宅と併設された珍しい構造の美術館です。5000点を超えるコレクションを所蔵し、足利に生まれた日本画家・大山魯牛や、両毛地域にゆかりの深い洋画家・川島理一郎など、地元ゆかりの作家の作品を中心に紹介しています。市民からの寄贈を受けた「浅川コレクション」も充実しており、地域の文化発信の拠点となっています。見学を終えたら、美術館の周辺の食事処で、ゆっくり昼食の時間をとりましょう。この後は、歩いておよそ24分、足利公園へ向かいましょう。
足利市立美術館から歩いておよそ24分、足利公園に着きます。1883年に開設された、足利市の中心市街地から少し西に入った丘陵地の南端に広がる公園です。開設された当初からサクラやツツジの名所として親しまれ、春には多くの人でにぎわいます。もうひとつ見逃せないのが、園内に残る円墳や前方後円墳などあわせて10基ほどの古墳です。花見の名所であると同時に、古代からこの土地に人が暮らしてきたことを物語る歴史的な場所でもあり、散策しながら足利の長い歴史に思いを馳せることができます。木々に囲まれた園内には遊歩道やベンチも整えられていて、ひと休みするのにぴったりの場所です。この後は、歩いておよそ19分、織姫神社へ向かいましょう。
足利公園から歩いておよそ19分、織姫神社に着きます。宝永2年(1705)、当時の足利藩主・戸田忠利が、機織りの神である天御鉾命と天八千々姫命を祀って創建したと伝えられる神社です。この二柱の神が力を合わせて織物を織っていたという言い伝えも残っています。229段の石段を上った高台に社殿があり、足利の町並みを一望できる眺めも魅力です。石段には手すりもありますが、段数が多いので、足元に気をつけながらゆっくり上りましょう。静かに、敬意をもってお参りしましょう。この後は、JR足利駅を経由して、あしかがフラワーパークへ向かいましょう。
織姫神社から歩いておよそ18分でJR足利駅へ。そこから両毛線に乗り、ひと駅およそ6分であしかがフラワーパーク駅に着くと、目の前がこの旅の締めくくり、あしかがフラワーパークです。ここに堂々と枝を広げる大藤は、もとから今の場所にあったわけではありません。平成8年(1996)、都市開発にともない、日本初の女性樹木医とされる塚本こなみさんの手で、当時樹齢130年を超えていたこの木が、トレーラーに載せられておよそ20km離れた元の場所からこの地まで運ばれるという、大がかりな移植が行われました。この移植の成功を受けて、翌平成9年(1997)、あしかがフラワーパークが現在の場所に開園しました。移植から四半世紀以上が過ぎた今も、大藤は元気に根を張り、見頃の時期には藤棚いっぱいに紫の花房を咲かせています。長い歴史を歩んできた大藤の姿を、ゆっくり眺めましょう。「日本最古の学校」ともいわれる足利学校と鑁阿寺、足利の歴史と花の庭をめぐる旅はこれで終わりです。あしかがフラワーパーク駅から、電車で帰りましょう。

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