雲場池の水鏡と旧軽井沢。軽井沢の紅葉さんぽ

1日目は、旧軽井沢の紅葉さんぽの最初に訪れる雲場池からです。地元では古くから「お水端」と呼ばれ、大正時代に別荘地開発の一環として、名水として知られる湧き水をせき止めて造られた人造の池と伝えられています。避暑に訪れた外国人たちは、水面に羽を休める姿から「スワンレイク」の愛称で呼んだそうです。周囲には一周できる遊歩道が整えられており、紅葉の季節には燃えるような色合いが静かな水面に映り込み、まさに水鏡と呼ぶにふさわしい景色を楽しめます。堀辰雄をはじめ多くの文人にも愛された軽井沢らしい、詩情豊かな雰囲気をゆっくりと味わいましょう。水音を聞きながら遊歩道を歩き、続いては旧軽井沢銀座通りへ向かいましょう。
雲場池から歩いておよそ22分、旧軽井沢銀座通りに着きます。1886年、宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーがこの地で初めて避暑を過ごしたことが、軽井沢が避暑地として発展するきっかけになったと伝えられています。ショーが別荘を構えたのをきっかけに、外国人や著名人が次々と別荘を持つようになり、彼らの暮らしを支える店が集まって、この通りが形づくられていきました。現在もカフェや土産物店、飲食店が軒を連ね、紅葉の時期には通りを彩る木々の色合いとレトロな街並みが溶け合う、散策にぴったりの雰囲気を楽しめます。ウィンドウショッピングを楽しんだら、続いては軽井沢聖パウロカトリック教会へ向かいましょう。

旧軽井沢銀座通りを抜けて歩いておよそ5分、軽井沢聖パウロカトリック教会に着きます。建築家アントニン・レーモンドの設計により1935年に建てられた教会で、三角形の急勾配の屋根と大きな尖塔、木の骨組みをそのまま見せる構造が特徴的です。作家・堀辰雄の小説の舞台としても知られています。紅葉の季節には、周囲の木々の色づきが尖った屋根のシルエットを一層引き立て、絵はがきのような風景を見られます。なお、現役の教会として今も礼拝が行われているため、挙式やミサの最中は中に入れないことがあります。静かに、敬意をもって見学しましょう。続いては、軽井沢最古と伝えられるショー記念礼拝堂へ向かいましょう。

軽井沢聖パウロカトリック教会から歩いておよそ10分、軽井沢ショー記念礼拝堂に着きます。宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーは1886年、この地で初めて避暑を過ごし、軽井沢の気候を「屋根のない病院」と呼んでその価値を広めたことから、「軽井沢の父」と称されています。現在の礼拝堂の原形は1895年に造られ、1922年頃までの増改築を経て今の姿になったとされ、軽井沢で最も古い教会のひとつに数えられています。隣接するショーハウス記念館は、ショーが建てた最初の別荘を1986年に復元したもので、あわせて見学すると当時の避暑生活の雰囲気がより感じられます。今も礼拝が行われている教会ですので、静かに、敬意をもって見学しましょう。続いては、バスでおよそ15分、旧三笠ホテルへ向かいましょう。

ショー記念礼拝堂から、路線バスでおよそ15分、旧三笠ホテルに着きます(バスは本数が限られるので、運行日・時刻は公式の案内で確かめましょう)。実業家・山本直良により1906年に開業し、設計・施工ともに日本人の手による純西洋式の木造建築として、「軽井沢の鹿鳴館」とも呼ばれてきました。1980年には国の重要文化財に指定されています。保存修理の工事を終えて、2025年10月に一般公開が再開され、建物の中にはカフェもあります。ここで昼食にしましょう。明治から昭和にかけて多くの人々を迎えてきた洋館の意匠と、紅葉に染まる庭の木々との対比も見どころのひとつです。歴史の重みを感じながら、ゆっくりと見学しましょう。続いては、路線バスでおよそ15分、白糸の滝へ向かいましょう。
旧三笠ホテルからバスでおよそ15分、軽井沢町北部、湯川の源流にあたる白糸の滝に着きます。この滝には滝の上に川がなく、浅間山の伏流水が黒い岩肌からにじみ出るように無数の筋となって流れ落ちるという、他の滝とは異なる成り立ちを持っています。この水がやがて湯川となり、里へと流れていくのだと思うと、軽井沢の自然の豊かさをあらためて実感できます。周囲の木々が色づく季節には、白い水の筋と紅葉のコントラストが一段と美しく映えます。滝の近くは足元がぬれて滑りやすいので、気をつけて歩きましょう。清らかな水音と涼しい空気を感じながら、しばらく過ごしましょう。続いては軽井沢高原教会・石の教会へ向かいましょう。
白糸の滝からバスでおよそ18分、星野エリアにある軽井沢高原教会・石の教会に着きます。軽井沢高原教会は、緑に囲まれた三角屋根が印象的な教会で、すぐそばには、建築家ケンドリック・ケロッグが設計した石の教会(内村鑑三記念堂)が建っています。自然の中にこそ祈りの場があるという、明治期のキリスト教思想家・内村鑑三の考えにもとづいて建てられた、曲線を描く石とガラスの独特な建築です。現役の教会で、挙式が行われていることもあるので、静かに、敬意をもって見学しましょう。周辺にはハルニレテラスなどのお店もあり、星野エリアならではの散策を楽しめます。続いては、バスと徒歩であわせておよそ26分、矢ケ崎公園へ向かいましょう。
軽井沢高原教会・石の教会から、バスで軽井沢駅方面へおよそ20分、そこから歩いておよそ6分、矢ケ崎公園に着きます。園内中央には大きな池があり、160mの木造の橋が架かっていて、晴れた日には浅間山と離山の両方を望むことができます。紅葉の季節には、色づいた木々が水面に映り込み、雲場池とはまた違った水鏡の景色を楽しめます。散策やランニング、子供の遊び場としても親しまれている、地元の人々にとっても身近な公園です。池のまわりをゆっくりと歩いて、1日の締めくくりのひとときを過ごしましょう。雲場池の水鏡から旧軽井沢の教会建築、白糸の滝の清流まで、軽井沢の紅葉と歴史を巡る1日は、ここで終わりです。帰りは、JR軽井沢駅から列車に乗りましょう。

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