石舞台古墳と明日香の里山、飛鳥の自然と歴史を満喫する1泊2日

明日香村の自然を満喫する旅は、近鉄飛鳥駅に10時33分ごろ着いたら、バスで約12分の石舞台古墳から始まります。一辺約50メートルともいわれる方墳で、国の特別史跡に指定されており、2026年7月には世界遺産「飛鳥・藤原の宮都」の構成資産としての記載も決定した、飛鳥を象徴する史跡のひとつです。長い年月の間に盛り土が失われ、巨石を組み合わせた横穴式の石室がむき出しになった、独特の姿で知られています。埋葬されたのは蘇我馬子ではないかという説が有力ですが、はっきりとは分かっていません。現在も石室の中に入ることができるので、ゆっくりと巨石の迫力を楽しみましょう。なお春には、桜の開花にあわせて夜桜とともにライトアップが行われることもあります。日中の今は、周囲の田園風景とあわせて、のどかな明日香村の空気をゆっくりと味わってみましょう。この後は、次の橘寺へ向かいましょう。
続いて訪れるのは、橘寺です。聖徳太子が生まれたと伝えられる地で、太子ゆかりの七大寺の一つとされています。発掘調査では、金堂と塔が東西に並ぶ四天王寺式の伽藍配置であったことも明らかになりました。境内でゆっくり見ておきたいのが「二面石」です。一方は穏やかな顔、もう一方は険しい顔を持ち、人の心にある善悪二つの相を表していると伝えられています。田園風景に囲まれた静かな境内は、明日香村ならではののどかな時間を感じられる場所でもあります。太子ゆかりの祈りの場ですので、静かに、敬意をもってお過ごしましょう。この後は、本尊の観音様で知られる岡寺へ向かいましょう。
岡寺は、正式には龍蓋寺というお寺です。飛鳥時代の高僧・義淵僧正が、草壁皇子ゆかりの岡宮の地を賜って開いたと伝えられています。田畑を荒らす悪龍を、義淵僧正が法力によって池に封じ、大きな石で蓋をしたという伝説が、龍蓋寺という名の由来だそうです。日本で最初の厄除け霊場とされ、西国三十三所の第七番札所としても多くの参拝者を集めてきました。ご本尊の如意輪観音坐像は、土で造られた塑像としては国内でも屈指の大きさといわれています。境内は祈りの場ですので、静かに、敬意をもってお過ごしましょう。緑に囲まれた境内をゆったりとお参りしたら、続いては酒船石遺跡へ向かいましょう。
岡寺から歩いておよそ17分、酒船石遺跡に着きます。7世紀中ごろに造られたとみられる祭祀の遺跡で、表面に不思議な模様が刻まれた「酒船石」と呼ばれる石造物が丘の上に残されています。近くでは湧水施設の遺構も見つかっており、水にまつわる古代の国家的な祭祀の場だったと考えられています。何のために使われたのかがはっきりとは分かっていない、飛鳥ならではの謎めいた雰囲気を味わえる場所です。このあたりで昼食をとりましょう。続いては飛鳥京跡へ向かいましょう。
酒船石遺跡から歩いておよそ6分、飛鳥京跡に着きます。7世紀、飛鳥浄御原宮をはじめとする歴代の宮殿が置かれていた場所と考えられている遺跡で、発掘調査によって、たびたび建て替えられた宮殿の遺構が幾重にも重なって見つかっています。今は広々とした空き地として整備され、当時の建物の柱の位置を示す表示から、飛鳥時代の宮殿の規模をしのぶことができます。続いては飛鳥寺へ向かいましょう。
飛鳥京跡から歩いておよそ11分、飛鳥寺に着きます。推古4年(596)、蘇我馬子の発願によって建てられた、日本で最初の本格的な仏教寺院と伝えられています。本尊の銅造釈迦如来坐像は「飛鳥大仏」として親しまれ、推古17年(609)に鞍作鳥(止利仏師)が手がけたと伝えられる、現存する日本最古級の仏像で、重要文化財に指定されています。1400年以上前からこの場所で人々を見守ってきた大仏の、穏やかな表情をじっくりと眺めてみましょう。静かに、敬意をもって拝観しましょう。続いては奈良県立万葉文化館へ向かいましょう。
飛鳥寺から歩いておよそ7分、奈良県立万葉文化館に着きます。日本最古の歌集とされる「万葉集」をテーマにした文化施設で、万葉集ゆかりの品々や、歌に詠まれた古代の暮らしを紹介する展示のほか、日本画家による大型の絵画作品も常設で見ることができます。四季折々の植物が植えられた庭園も見どころで、万葉集に詠まれた花や木を眺めながらゆっくりと過ごせます。続いては甘樫丘へ向かいましょう。

万葉文化館から歩いておよそ19分、甘樫丘に着きます。『日本書紀』には、7世紀に蘇我蝦夷・入鹿の親子がこの丘のふもとに邸宅を構えていたと記されています。頂上の展望台からは、飛鳥の里はもちろん、大和三山と呼ばれる耳成山・畝傍山・天香久山、そして二上山までを一望でき、夕暮れが近づく時間帯には、やわらかな西日に染まる飛鳥の里山の景色をゆったりと楽しめます。この一帯は国営飛鳥歴史公園として整備されており、万葉集に詠まれた植物も数多く植えられているので、足元の草花にも目を向けながら、のんびりと散策してみましょう。石舞台古墳の力強い石組みから、橘寺・岡寺での静かな祈りのひととき、飛鳥時代の宮殿や大仏を巡る歴史散策、そしてこの甘樫丘からの大らかな眺めまで、1日目はここまでです。この夜は、飛鳥・橿原のあたりの宿に泊まりましょう。ゆっくり休んだら、明日は明日香村のさらに南に広がる、石の謎と古代の都のロマンを訪ねる一日にしましょう。

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